DX推進を躊躇する理由の筆頭が「コスト」です。しかし実際には、何もしないことのほうがコストがかかっているケースがほとんどです。
「DXは大企業がやるもの」「費用が高くて中小企業には無理」——こうした認識が、DX推進の妨げになっているケースを多く見てきました。しかし実際にコストを試算すると、DXしないことの損失のほうがはるかに大きいことがほとんどです。
「DXしないコスト」を計算してみる
例として、月に20時間を紙の書類整理に費やしている社員が3名いる会社を考えます。時給換算2,000円とすると、月20時間×3名×2,000円=12万円。年間144万円が「属人的なアナログ作業」に消えています。クラウドストレージへの移行費用は月数千円〜数万円程度。ROIは明確です。
実際にかかるコストの目安
【Google Workspace】1ユーザー月約1,500円〜。ファイル共有・メール・カレンダー・ビデオ会議が一括で使えます。【Kintone(業務アプリ)】1ユーザー月1,500円〜。物件管理・顧客管理など自社に合ったアプリを作成可能。【電子契約(CloudSign等)】月数千円〜。印刷・郵送・保管コストを削減。これらを合わせても月数万円程度から始められます。
「高い」と感じる本当の理由
DXコストを「高い」と感じる背景には、①システム開発費(スクラッチ開発)とSaaSの区別がついていない、②一時的な導入費用と月額費用を混同している、③補助金・助成金の存在を知らない——という3つの誤解があることが多いです。SaaSを選べば初期費用を大幅に抑えられ、IT導入補助金を活用すれば費用の半額以上が補助されるケースもあります。
「何に投資するか」を正しく選ぶ
DX投資で失敗するパターンは、「とりあえず高機能なシステムを入れる」ことです。現状の課題を整理せずにツールを選ぶと、機能を持て余して使われなくなります。課題→解決策→ツール選定の順番を守ることで、小さな投資で大きな効果が得られます。
まとめ
DXのコストは「かけるもの」ではなく「取り戻すもの」です。現状の非効率に使っているコストを可視化するところから始めましょう。費用対効果のシミュレーションもお手伝いできますので、ご相談ください。
橘 大輔
代表取締役 / 株式会社Ekusid|宅地建物取引士・賃貸不動産経営管理士・2級FP技能士
